礼文分屯地・稚内地区を視察

陸上自衛隊礼文分屯地を視察しました。ここでは「最北の自衛隊」として、主に宗谷海峡を航行する多くのロシア艦艇等を監視・情報収集しています。

ロシアは我が国固有の領土である北方領土を不法占拠し、今なおウクライナ侵略を続けています。また、近年では中国との共同航行も確認される等、軍事活動が活発化しています。

稚内に移動して、稚内分屯基地を視察しました。この地域は国境警備の要として、明治の時代から旧海軍の施設が設置されていました。終戦後の一時期には米国陸軍も駐留していた地区です。

現在、稚内分屯基地には陸・海・空自衛隊の各部隊が所在しており、基地としての重要性は増しています。ロシアの活発な軍事活動に加えて、北朝鮮は北海道周辺を含めた我が国EEZ内へ弾道ミサイルを多く落下させています。

こうした監視活動や情報収集活動により、我が国周辺の軍事動向を常時継続的かつ正確に把握することは、我が国防衛に万全を期すための大前提となります。

北海道の最先端という過酷な環境で、時には緊迫した状況のもとで勤務に当たる自衛隊員の働きが、国民の命と暮らしを守り抜くための基盤となっていることを改めて隊員に伝えました。

旭川駐屯地を視察

陸上自衛隊旭川駐屯地を視察しました。司令部のある第2師団は、広大な北海道北部の守りの要です。

旭川には特科連隊や後方支援連隊、施設大隊を始めとする多くの部隊が所在しているほか、名寄、遠軽、留萌、上富良野の各駐屯地を含め、第2師団としては実に多くの隊員が所属しています。

陸上自衛隊は南西方面の防衛体制強化を始めとする各種取組を進めています。北海道においては、統合輸送能力により、南西方面に迅速に展開・移動させることを前提として高い練度を維持した1個師団、2個旅団、1個機甲師団を配置することとしています。

また、北海道の良好な訓練環境を最大限生かし、抑止力・対処力の実効性を更に高め、真に実効的な防衛力を築くことが、我が国の意思と能力を示すことになると考えています。

防衛省・自衛隊70周年にあたっての防衛大臣談話

70年前の今日、防衛庁設置法と自衛隊法が施行され、防衛庁・自衛隊が誕生しました。

これまで防衛省・自衛隊の活動に御理解と御協力を賜ってきた皆様に対し、防衛大臣として、心からの感謝を申し上げます。

発足直後、木村篤 とく太郎 たろう初代防衛庁長官は、職員は皆、防衛庁・自衛隊の「新しい伝統」を自分たちで作っていくという希望に燃えていると語りました。

終戦後の独立回復から2年、戦争の記憶も色濃く残る中、自衛隊は我が国の防衛という崇高な任務を担い、その完遂に努めてきました。

そして、国際情勢が目まぐるしく動く中で、自衛隊の任務は次第に拡大していきました。21世紀に入ってからも、防衛省への移行や平和安全法制の成立などにより、防衛省・自衛隊に期待される役割はより一層重くなってきています。

今日、1つの節目を迎えるに当たり、木村長官が語った「新しい伝統」とは何かと考えました。

それは、いついかなる時も「国民のための自衛隊」である、ということではないかと思います。

今では国民の9割が自衛隊を信頼していると言われていますが、それは、隊員1人ひとりがこの「新しい伝統」を胸に、ひたむきに任務に励んできたからこそです。

現在、我々は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、国民の命と平和な暮らしを守り抜くため、防衛力の抜本的強化に取り組んでいるところですが、これからも国民の信頼と期待に応え続けられるよう、防衛大臣として、隊員諸君とともに一層努力していく所存です。

伝統とは、長い歴史を通じて培っていくものです。「存在する自衛隊」から「行動する自衛隊」と言われて久しいですが、任務が増大する中で、我々自身もまた、新たな伝統を作っていかなければなりません。

本年秋には創設70周年を記念する自衛隊観閲式を実施するとともに、来年以降、隊員の使命の自覚や士気の高揚を図りつつ、新たな形を模索していきたいと思います。

こうした取組も含め、皆様におかれましては、引き続き、防衛省・自衛隊の活動に御理解と御協力をいただければ幸いです。

令和6年7月1日
防衛大臣 木原稔

https://www.mod.go.jp/j/press/movie/2024/2024_discourse.html

Screenshot
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大臣レセプションを主催

日本には世界各国多数の大使館があり、その在京大使館には安全保障を担当する軍人や職員がいます。特に軍人は「駐在武官(military attachés)」と呼ばれ、大使を通じて我が国との安全保障交流をサポートする役割を担っています。

本日は、在京大使館の駐在武官や職員の皆さんをお招きした「防衛大臣レセプション」を主催しました。「駐在武官団」団長のポール・ドラギスヴィッチ大佐(ニュージーランド)はじめ多くの関係者にお越しいただき感謝しています。

IT技術の発達した現代社会においても、大事を為すうえで重要なのは、やはり人間関係であり信頼関係です。駐在武官や大使館職員の皆様には、日々のコミュニケーションを通じて防衛省職員との信頼関係を築き、各国の国防当局との架け橋として尽力いただいております。そのおかげもあり、我が国と各国との間の安全保障協力は着実に進展してまいりました。

昨年9月の防衛大臣就任以来、私は二国間会談をはじめ太平洋島嶼国国防大臣会合(JPIDD)やシャングリラ会合など様々な機会を通じて、多くの国々のカウンターパートの皆さんと会談し、安全保障協力推進のための具体的な方策について議論して参りました。

安全保障協力は、国際情勢がめまぐるしく変化する時代において、地域及び国際社会の平和と安定を確保するための重要な柱の一つです。本年も大臣自らが先頭に立ち、二国間及び多国間の防衛協力・交流推進のために全力で取り組む所存です。

護衛艦なとり命名式・進水式

三菱重工業株式会社長崎造船所にて、護衛艦「なとり」の命名式・進水式を無事執り行いました。私自身、防衛大臣として初めて式典に立ち会うことができ、深く感銘を受けたところです。

本日命名した「なとり」は、我が国の優れた技術を結集し、船体のコンパクト化・省人化を両立した「もがみ」型護衛艦の9番艦であり、我が国周辺海域の防衛を担う護衛艦として就役が待ち望まれています。

四方を海に囲まれた我が国が、国民の生命と財産を守り抜くためには、海上防衛力の中核となる優れた艦を保有することが必要不可欠です。このような優れた艦を安定的に建造し、運用していくためには、国内にしっかりとした生産・技術基盤を築くことが極めて重要です。

我が国の艦船建造技術は、国際的にも高い評価を受けています。“造船大国・日本”の復活に向けて、造船建造に関わる多くの企業には、これまで培われた技術や経験を礎として、更なる艦船建造技術の向上を追求してもらいたいと考えています。